【うに懐石】2008.04.07 古串屋旅館(山口県下関市)   

 萩毛利藩の支藩長府毛利侯8万3千11石の御城下で、明治の元勲たちに愛された創業明治4年(1871)の老舗料亭、古串屋

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 到着すると、まずは“ いかにも明治!”と時代を感じさせる和洋折衷のサロンでお茶が供される。
 お茶菓子は〈乃木の里〉。日露戦争の英雄乃木希典にあやかったものらしい。




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 この〈乃木の里〉、高級菓子 くにやというお菓子屋さんのものだそうだが、思わず「鄙には稀な…(失礼な…^^;)」と呟いてしまうほど洗練されている。城下町では、時にそういうお菓子に出会うことがある。

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 しばらくして2階に案内されると、そこは既に一般のご家庭からは失われて久しいと思われる日本の家の原風景。古いがよく手入れされていて、どこか懐かしい。

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 座敷に目を転じると、そこも何やら懐かしい日本の宴会の原風景的しつらえ。ここでこれから、うに!うに!尽くしのうに懐石が始まるのだ…。ドキドキ…。

 「すみません、あんまり時間がないので、お料理早い目に出してください。食べる方は大丈夫ですから!」

 下関で赤間神宮に詣でた帰り道、ドウシテもうに懐石が食べてみたかったのだ。なので、ちょっと強引に予定を入れてみた(笑)

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 まずはストレートに殻から出てきたばかりのうに。山口県の日本海側、北浦と呼ばれるその辺りでは、良質のうにが獲れるのだ。中でも見島のうには絶品で、漁期もごく短いのだが、瀬戸内のうにとは比べ物にならない美味しさ。 そんなお土地柄で“うに懐石”をはるからには、相当なものに違いあるまい…。

 期待はMaxふくらんでいる。その期待に華をそえる山葵のプレザンテ。

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 やっぱ、わさびは長次郎の鮫皮やないとね!粘りが違うよね!おろすのにかかる時間も違うけど、ね!

 うにのお味?

 そりゃもちろん、うに!でございました。甘くて磯の香りが心地よくて、しっかりぷりぷりした身の粒がホロリとお口の中で解けていくのです…。うに板の半分溶けたようなウニとはちゃいまっせ~!なカンジ。

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 前菜も、そこかしこに“うに”の存在を感じつつ、なかなか手をかけてます。

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 造りはイカと平目がほんのりと黄金色…。

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 イカやら平目やらの1枚1枚に、“うに”が隠れているのだ、ぐふふ…。

 が、ザンネン!
 この“うに”は、先ほどの殻から出てきたばかりのうにとは味が違うのだ。これは恐らくうに板で仕入れたうにね。
 モチロン、うに板に載っているうにとしては上等の部類。長期輸送されたうにや冷凍のうにとは比べ物にならない新鮮さで、臭みもなく味も良い。

 …如何せん、はじめの殻造り(というのか?)が美味しすぎた…。

 もし、アレがなく最初にこのイカと平目の黄金造り(と、勝手に命名)が来ていたら、大感激していたハズ…。

 次に登場したのは、素晴らしいお椀。

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 こんなお椀に出会えるお店は、滅多ない。

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 漆の枯れ具合から察するに、かなり古い時代のものね、きっと。長く続く料理屋さんというのは、やはり昔からの道具を大事に伝えていて、それらは大様にして新しいモノよりシナが良い。眼福眼福。

 え? 中味?
 モチロン、ふんわりうにしんじょも美味しかったわよ。決して、ビッグサイズの瓶詰めジュンサイが気に入らないからって、わざとナンにも言ってないワケぢゃないの。

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 車海老もうに焼き。キミ、そんな恨めしそうな目でこっち見ても、運命はもう定まっているのよん。

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 これまた素晴らしい器で登場したスルスル茶碗蒸し。モチロンなかに隠れているのはうに!

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 桜餅仕立ての飯蒸し。華があっていい料理やね。

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 オブラートに包んで揚げたうにの天麩羅。ワタシはムカシからこのオブラートというモノがあまり好きではないのだが、パリッと揚がって意外と気にならない…。意外な発見(笑)

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 出てきた瞬間、“大丈夫か~?”と思ったが、食べてみると意外に美味しかったうにのグラタン。
 
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 そして、最後にうに飯。この辺りのうに飯というのは、生うにを載せたうに丼とは違い、生うにを炊きこんである。お米の一粒一粒から、うにの香りが立ち上る…。

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 デザートは三宝柑ゼリーでさっぱり締めくくり。

 もっとゆっくりいただきたかったうに懐石だが、これだけしっかりうにを食べさせてもらえたら本望!(笑)
 新しい器に混じって時にお出ましになる年ふりた器にもお店の歴史を感じつつ、昔のモノはええのぉ~としみじみ感じた春の昼下がり…。

 そしてその余韻に浸る間もなく、うららかな陽射しの中、ワタシは山陽道を超特急で東へとかっ飛ばし…。

 ちなみに古串屋、今は料亭としての営業がメインだが、お泊まりも出来ないことはないらしい。

古串屋
住所: 山口県下関市長府南之町5-15
TEL. 083-245-0051
FAX. 083-245-0099
営業時間: 昼 11:30~14:00(OS 13:00)
       夜 16:30~(OS 19:00)
定休日: 不定休
ホームページ: http://www.kogushiya.jp/

高級菓子 くにや
住所: 下関市長府中浜町3-16
TEL. 083-245-0494
営業時間: 9:00~19:00
定休日: 正月元旦
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by barazono | 2010-02-23 11:34 | 【外食】日本料理~会席・懐石~

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